英検新設級導入について

英検のライティング問題の出題変更という大ニュースから興奮冷めやらぬ中、新たに英検協会から新しい級の設立が発表されました。

オフィシャルのアナウンスは【こちら】から。

英検準2級と2級の間に当たる級だということで、新設級の試験は、英検(従来型)および英検S-CBTの両方で、2025年度より開始されるとのことです。この新しいレベルの導入によって、学習者は更に具体的かつ適切な目標を持つことができ、英語学習のモチベーションを高められるであろうことが期待されての増設であると説明されています。

これについて思うところを動画にまとめましたが、一応概要について以下、ブログでも掲載しておきます。

新設級の目的

ギャップの解消:準2級と2級の間に存在するレベルのギャップを埋め、学習者は具体的な学習目標が得られるとのこと。データによると、準2級合格者が2級に合格するまでには、約2年近くかかっているということです。このことから準2級と2級の間に高い壁が存在することを示しているとし、この壁を越えることができるように、新設級が導入される、というのが公式の説明です。

小さな成功体験の提供:この新設級は、学習者が小さな成功体験を得る機会を提供し、持続可能なモチベーションの維持・向上を狙うものである、と説明されています。

高校生の学びの支援:新設級は高校2年生の英語力が客観的に評価されるため、高校生の学びにも寄り添うことができる、とされています。


個人的な感覚で言えば、準2級と2級の間にそこまで壁があるというようなことはないものの、準2級にギリギリ受かったというところから2級に進もうとすると苦労するという面があり、その辺りのカバーをするための増設なのかな、という感じです。

高校2年生レベルの英語力が測れるという点については実際のレベル感や英検評価の実用性が関わってくるところなので何とも言えないのですが、英検準2級を持っている学生、英検新2級(仮称)を持っている学生、英検2級を持つ学生の差分を教師側や大学側がどう判断するかは注目です。

また、級の増設によって他の級の金額が変わったり、準2および2級のレベル感に調整が入ったりする可能性もあるかな、と個人的には考えています。いずれにせよまだまだ情報が解禁されたばかりなので、今後の動向に注目といったところでしょう。

ただ言えるのは、いずれの場合でも特に英語学習者として長期的にやらなければいけないことが変わったわけではないということです。進学や昇給などに関連して英検の取得を考えているようなケースなら先が気になるところですが、そうでなければ勉強方法について大きな変更が必要な予感は、現状はしていません。

Akitsugu Domoto

Translator, wordsmith, speaker, author and part-time YouTuber.

https://word-tailor.com
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