FAQ

翻訳やSEOなどについて、よくある質問(FAQ)をひとつのページにまとめました。Work の個別のページからは、それぞれの分野のご依頼に際してより詳細な質問もご確認いただけます。

ChatGPTとは何ですか? 翻訳にも使えますか?

ChatGPT は、人工知能を活用して自然言語でのコミュニケーションを通じて、様々なトピックに関する質問や会話を行うことができるチャットボットです。

ChatGPT は、GPT(Generative Pre-trained Transformer)と呼ばれる自然言語処理技術を使用しており、ユーザーが入力したテキストに応じて応答を生成します。ChatGPT は、教育、健康、エンターテインメントなどの様々な分野で利用されています。ただし、出力される情報の精度は担保されていないため、調査を行う場合などについては向いていません。

この回答も、これよりも上の文章はすべて ChatGPT の出力によるものです。

このように、人間が書いたような文章の出力精度が高まったことから、DeepL などの既存の機械翻訳ツールと併用したり、代替として用いられたりすることが増えてきました。


プロンプトとは何ですか?

ChatGPT におけるプロンプトは、ユーザーが ChatGPT に対して入力するテキストのことです。ChatGPT は、プロンプトに基づいて、そのテキストに関連する応答を生成します。

例えば、ユーザーが「こんにちは、お元気ですか?」というテキストを入力すると、ChatGPT はそのテキストに対して適切な応答を生成します。プロンプトは、ユーザーが ChatGPT に対して何を尋ねたいかを明確に示すために重要な役割を果たします。適切なプロンプトを書くことで細かな作業を指示し、業務の効率化が可能です。

この回答も、ここより前の文はすべて ChatGPT に「ChatGPT におけるプロンプトとは何ですか?」と質問し(プロンプトを入力し)出力したものです。例えば ChatGPT に翻訳をさせる場合、『次の文を日本語に翻訳してください。』や“Translate the following text into Japanese: ”といったプロンプトを用いることになります。


プロンプトは英語の方が良いと聞きましたが本当ですか?

基本的には英語の方が出力結果の質が良いとされています。その理由はいくつかあると思われますが、ひとつには「ChatGPT 自体の基本言語が英語である」こと、もうひとつは「英語の方が日本語よりも曖昧な表現になりにくいこと」が挙げられるのではないかと個人的に仮定しています。

このように、プロンプトに工夫を凝らし、より良い出力結果を期待する技術を、プロンプトエンジニアリングと呼ぶことがあります。


日本語でプロンプトを作って、それを機械翻訳で英語訳すれば良いのでは?

機械翻訳の精度は現在平均して90%程度とされているため、日本語でのプロンプトを英語にした時点で10%弱の可能性で何らかのエラーが含まれる可能性があると言えます。そのため、日本語でプロンプトを作成したなら、それは日本語のまま使う方が、機械翻訳を通すよりも良い場合も多いでしょう。

しかし、その日本語のプロンプトで曖昧になっている箇所を明確にし、英訳することで、より精度の高いプロンプトを作成できる場合があります。


ChatGPTで記事やコンテンツの執筆を自動化できますか? 英文記事も書けますか?

ChatGPT は、記事の執筆やコンテンツの作成もタスクとして処理することが可能です。ただし、基本的には ChatGPT で出力した記事やコンテンツをそのまま活用することは推奨されません。ひとつには間違いが含まれている可能性があること、またもうひとつには「及第点」レベルの内容にしかならないことが理由です。

また、目的のある記事(例えばコンバージョン率を高めたいなど)の場合には特定の書き方をしたり、SEOを意識して特定のワードを入れるようにしたりすることも必要になります。この点については、まだプロの目が必要と言えます。

加えて、Googleはいわゆる生成AIについて、クオリティの問題として対処することにしたようです。また、その利用については、引き続き注目していることも明らかになっています。


DeepLと比較して、ChatGPTの自動翻訳はどうですか?

DeepLもChatGPTも発展途上ではありますが、それぞれ一長一短があり、どちらがより優れているとすることは難しい段階です。現時点ですと、DeepLが誤訳するところをChatGPTが正確に訳したり、あるいはその逆だったりすることがよくあります。

ただ、DeepLの方が翻訳について専門的な機械的トレーニングを積んでいるというアドバンテージはあります。また、ChatGPTの場合、入力されたテキストをプロンプトとして理解するため、状況によっては原文から完全に逸脱して創作し始めてしまうこともあります。

DeepL と ChatGPT の翻訳能力の比較については、Claude や Grok も含めて複数回検証しております。よろしければご参考ください。


SEO対策は必須なのでしょうか?

マーケティングの戦略として自社のページへの訪問をどのように位置づけるかによってSEOの必要性は異なります。

例えばGoogleの検索などから自社ページを積極的に訪れて欲しいという場合にはSEOに力を入れる必要がありますが、紹介制のサービスであるなどの理由で検索からの流入を予定していない場合にはSEOは不要です。

また一例としては、SEOとしての言葉選びではなく自社の色を強く出すようなブランディングでの言葉選びをご希望というケースもございます。


日本語のサイトはSEO対策済みです。英語版でも別途SEO対策が必要でしょうか?

はい。日本語のサイトがSEO対策を実施している場合でも、翻訳時にはその工夫や構造が失われてしまうことがあります。

日本語でSEO対策されているなら、尚のこと翻訳時にその効果が失われないように注意しなければもったいないと言えます。


SEOについて、機械翻訳で英訳・日本語訳するだけでは不充分ですか?

Googleは、機械翻訳での自動翻訳は「自動生成されたコンテンツ」と見なされ、検索順位に悪い影響が出ると説明しています。少なくとも人間の手で編集することである程度回避することが可能であるとされていますが、それがどの程度の編集で回避できるものかは明らかになっていません。

また、英語などの別言語でSEOをする際には、日本語でSEO上適切とされたキーワードに複数の翻訳が可能である場合や、マーケットが異なるためまったく違うキーワードが求められる場合もございます。そのため、SEOを意識するなら最初から人間の手で翻訳する方が確実です。

参考: https://developers.google.com/search/docs/advanced/guidelines/auto-gen-content?visit_id=637970850523441208-1883991832&rd=1


SEO対策の結果はすぐに出ますか?

SEO対策は基本的には長期的な取り組みとなります。これは、時間を掛けてGoogle上での信頼性を高める必要があるためです。そのため、例えば特定の記事を書いたり、特定の調整を行ったりするだけで結果を期待するのは難しいのが一般的です。

ただし、例えばサイト上の内部的なリンクやタグに問題があるためにGoogle上での評価が悪くなっているケースでそれを修正することで順位が上がる場合や、既にサイト自体の信頼度(レピュテーション)がある程度ある状態でトレンドに近い記事を執筆する場合など、結果が分かりやすく出るパターンもあります。


広告のリスティングで充分に来訪者を獲得できています。SEOは必要ですか?

Google での Paid Search(有料検索、また検索連動型広告)による流入からの利益率よりも、オーガニック検索からの流入の方が ROI(Return on Investment、投資利益率)が高くなる傾向にあるとされています。また、Paid Search による流入はサイトのSEOに影響を与えません。

このことから、サイトの信頼性を高めるには、サイト自体の価値を高めることが必要であると言えます。SEO対策は、そのための一連のプロジェクトの位置づけです。


既存のサイトを英語化したいと思っています。新規作成した方が良いですか?

状況によるため、一概に回答することは難しい面がございます。ただ、例えば日本語サイトと英語サイトでドメインを分けることで、SEO施策の管理も分けることができるといったメリットがある場合もございます。ほか、特定の国の検索に特化したドメインなどもあるため、既存のサイトのページを増やすのではなく新規のサイトを作成することは選択肢として有効である可能性があります。


トランスクリエーションとは何ですか?

言葉がひとり歩きしている感があり、やや定義が人によって異なりますが、『原文が伝えたいメッセージから、新たに表現を再構築する』ことがトランスクリエーション(transcreation)であるとされる向きがあります。特に広告やキャッチコピーの翻訳で必要とされるアプローチであるため、広告やキャッチコピーの翻訳を特にトランスクリエーションと呼ぶ場合もあります。


ローカリゼーションとは何ですか?

ローカリゼーション(ローカライズ)とは、単純に原文の言葉をそのまま翻訳するのではなく、その翻訳が用いられる現地の文化や習慣に合わせて表現を調整することです。例えば英語の原文ではドルで表示されている金額を、日本語に翻訳する際に円換算するといったこともローカリゼーションの一例です。翻訳を読む人にとって違和感がなく、かつ読みやすい(理解しやすい)表現になりやすいので、コンテンツの翻訳やマーケティング、ブランディングにおいても重要な概念です。

その一方で、ローカライズするということは、原文の異国情緒や『外国風の感じ』を上書きするということでもあり、場合によっては原文の良さが損なわれる場合もあります。こうした理由から、必ずしもローカリゼーションが優れたアプローチであるとは限りません。原文の内容や目的を鑑みて、適宜判断することが必要となります。


ネイティブでなく、日本人翻訳者でも英訳は可能なのですか?

一般には日英翻訳は英語のネイティブ、英日翻訳は日本語のネイティブが行う傾向にありますが、必ずしもそれが最善であるとは限りません。

例えば、ネイティブが文法的にエラーを起こしやすいところを理論的知識から回避したり、 ネイティブが感覚で使っている単語を意識的に取捨選択して効果的に使ったりできる点、また原文の日本語を充分に理解した上で英訳できる点から、信頼できる日本人日英翻訳者に依頼することは アドバンテージになることも期待できます。

その他、クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークス)にてネイティブに翻訳を依頼した際のクオリティについての調査記事がございますので、合わせてご参考ください。


機械翻訳を使用するのは駄目なのでしょうか?

全く駄目ではありませんが、状況に合わせて適切に用いることが重要です。

機械翻訳の精度は、平均して【90%】程度であるとされています。そのため、精度90%程度の翻訳で充分であるような場合には、機械翻訳を使用し、その後人間のチェックがなくても構わないとも言えます。しかし多くのビジネスシーンでは、精度90%では心許なく、また表現が適切であるかなども人間の目で確認することが必要です。加えて、"翻訳の責任"をユーザーが負わなければいけないのも機械翻訳のデメリットです。

また、例えばゲームのテキストや広告の翻訳、キャッチコピーの翻訳など、原文だけではなくそれに付随する文化やマーケティング戦略、与えたい印象などから総合的に判断をする必要がある翻訳については、機械翻訳のパターンから選ぶよりも人間の判断で翻訳した方が良い場面も多く見受けられます。

ただし、機械翻訳を有効に使える場面があることも事実です。ご相談内容によっては機械翻訳を併用するご提案ができる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。

ご参考として、機械翻訳の利用の妥当性を測る指標を作成しました。合わせてご確認ください。


プロンプトエンジニアリングとは何ですか?

ChatGPT や Claude、Grok などの生成AIに指示を与えるプロンプトを工夫する技術のことです。生成AIに指示を与える際には、その指示が適切であればあるほど、より高いパフォーマンスが発揮されます。これを期待してより良いプロンプトを書くことをプロンプトエンジニアリングと言います。

プロンプトは英語の方がより良いパフォーマンスになることもあることから、プロンプトの英語化もプロンプトエンジニアリングにおけるひとつの手法とも言えます。


MTPEとは何ですか?

MTPE とは Machine Translation Post Editの略で、原文の一次翻訳を DeepL などの機械翻訳ツール、または ChatGPT などの生成AIで行い、その出力結果を人間がチェックすることでクオリティを担保しようとするアプローチです。

一次翻訳の出力が非常に速いことから、大量の翻訳を短期間で行う必要がある場合や、アジャイルやスクラムといったアプローチでプロジェクトが進んでいる場合に有効な手法として検討されます。


MTPEの問題点は何ですか?

MTPEでは一次翻訳が機械翻訳(自動翻訳)になるため、能力のある翻訳者がゼロから行う場合と比較するとクオリティが落ちる傾向にあります。また、例えばSEOやマーケティング、ブランディング、トランスクリエーション、ローカリゼーションといった要素が含まれる翻訳の場合、機械翻訳ではその部分を担保することができないという問題もあります。

MTPEのメリットはあくまで大量の翻訳を短時間で行うことができるという点、またアジャイルやスクラムといったアプローチと相性が良いという点です。

単なるコストカット策として採用するのではなく、プロジェクトに対するベストプラクティスであるかどうかをその都度判断する必要があります。

参考: 機械翻訳(MT)を利用するMTPEは翻訳コストを削減できるのか?