自分に合った英語コーチングを見つけ、悪徳講座に引っかからないための7つのポイント
英語を学ぼうとするとき、英語のコーチングやメンタリングサービスを利用しようとすることもあるかもしれません。確かに、英語学習のコーチングやメンタリングは、英語と長期的に付き合っていく上での効果的な自己投資となり得るものです。
しかし、中には不当に高価な料金を求める悪徳講座も存在します。その罠にはまらないために、今回は「自分に合った英語コーチングを見つけるための7つのポイント」を解説します。
ちなみに『効果のない英語コーチングを見きわめる7つのポイント』として、YouTube にて【動画を公開】しました。近い内容ですが、よろしければ合わせてご参考ください。
1: 本当に『コーチング』を行っているか?
英語コーチングの中には、非常に高額なものも少なくありません。こうしたサービスの金額設定はサービスの提供者が妥当と思うものであり、またこれに納得してユーザーがサービスを利用する以上は、特に『高額である』こと自体が問題というわけではありません。
例えば、コーチング上専門的なスキルを持つコーチが在席していることや、個別指導であるために単価が高くなってしまうなど、高額な価格に見合う価値があることもあります。特に複数のコーチを在席させるような大手の場合、運営費などを加味すると総合的には高額になってしまうことに妥当性があることもあります。
しかし、『高い』からといって専門的なスキルを持つコーチが在席しているとは限りません。特に、コーチングやメンタリングと英語学習自体の指導が混同されていることも珍しくないでしょう。『コーチング』や『メンタリング』という言葉が、『単なる英語学習サービス』をより良く見せるための実体のない言葉として使われていないか、確認が必要です。
その講座が提供するコーチングやメンタリングの定義はどのようなものでしょうか。どこかで触れられている定義の流用で説明しようとしていたり、曖昧な説明をしたりしていないでしょうか。そういった場合には、金額に対して提供されるサービスに不安があることもあるかもしれません。
2: 誇大広告ではないか?
「数週間で流暢に!」といった誇大な広告には注意が必要です。言語学習は時間と努力を必要とします。現実的な目標を設定し、適切なプログラムが提供されているか確認しましょう。
当たり前ですが、英語学習には時間が掛かります。実際にどれくらい時間が掛かるかの個人差はあれど、この大前提を覆すことは絶対にできません。しかし、この大前提を打ち破るようなメッセージは、『まさか』と思わせるような吸引力を持ちます。そのため、『有り得ない』と思いつつも『試してみたい』とも思わせてしまうような、強力なキャッチコピーになるのです。
しかし考えてみれば、そのような素晴らしい手法があるのであれば、義務教育などを通じて広めれば良いはずです。そうなれば個人ではなく学校単位で顧客を得ることができ、売り手としての売上も個人販売の比ではなくなるでしょう。それができないのは、多くの人間に対して再現性がないからです。
コーチングやメンタリングを選ぶとき、その広告やキャッチコピーに『まさか』と感じたら、それは本当に『そんなわけがない』からだと思って良いでしょう。その時点で、そのサービスを利用する必要はありません。
3: 資格や経験は充分か?
コーチの資格や経験を確認しましょう。英語教育に関連する資格を持っているか、長年の教育経験があるかなど、信頼できる情報を見つけることが大切です。
例えばネイティブスピーカーであっても英語の授業が得意であるとは限らないように、英語学習の講師には英語に関する知識だけでなく総合的な能力が求められます。サービスを提供している大元や所属しているコーチのこれまでの実績や経験を確認し、それが本当のものであるかをチェックすると良いでしょう。
4: 透明性は高いか?
コースの内容、料金体系、キャンセルポリシーなどが明確に表示されているかを確認しましょう。不明確な点があれば、コーチやサービス提供者に直接問い合わせることも重要です。
個人に合わせた内容を提供するのがコーチングである以上、コースの内容などや料金体系については不透明になりやすいところでもあります。また、基本のサービスが安くともオプションが高い場合や、キャンセルポリシーが非常に厳しい場合なども考えられます。
ちなみに、運営元の実体を判断する上での情報として、事務所がバーチャルオフィスかどうかを見るということもできます。バーチャルオフィスとは、例えば自宅で仕事をしている人が自宅の場所を明らかにしないためなどの理由で利用する『実際には部屋を借りないが、住所だけを借りる』ようなサービスで、これ自体が違法である、あるいは事業的に良くないということではありません。前述のように個人が住所を明らかにしたくない場合や、郵便物などを一元管理するためなどの目的でスタートアップ企業が用いる場合もあります。
しかし、例えば大手であるような広告を出していながらバーチャルオフィスであるとか、多数のコーチやメンターを常に在席させているはずなのにバーチャルオフィスであるといったような場合、またビジネス街の一等地にオフィスがあるように見せかけているようなバーチャルオフィスの場合、実体をよく見せようとしているだけの『ハリボテ』である可能性もあります。住所がバーチャルオフィスであれば、そのことに妥当性があるかどうかを確認すると良いでしょう。
(このバーチャルオフィスについての視点は、Twitterにて @LimaLima_2010 さんより頂きました。ありがとうございます)
5: 他の利用者の感想を確認する
他の学習者からのフィードバックや評価を見てみましょう。ただし、サイト上の『お客様の声』は良いことしか書いていないことも珍しくなく、また身内や一部のユーザーにそうしたレビューを『書いてもらっている』こともよくあります。
そのため、例えばTwitterのようなSNSでの第三者の投稿を確認してみるなど、そのサイト上以外のところでの感想を確認するように努めましょう。場合によっては『被害者の会』のようなものが結成されているかもしれません。
もちろん、こうしたサービスは向き不向きがあるので、ひとりやふたり程度が『合わなかった』や『担当コーチが良くなかった』と言っているくらいであれば、それだけを判断材料にするのは早いかもしれません。しかし、あまりに多くの人がそれぞれの経験をもとに批判的なフィードバックをしているようなら、敢えてそのサービスを選ぶ理由はないでしょう。
6: セールスは強引ではないか?
強引な販売戦術には警戒しましょう。例えば最初は無料の講座を提供して、LINEなどの登録を促し、その後高い講座に誘導していくなどのやり方もあります。こうしたやり方それ自体が悪いわけではありませんが、いざ本編の講座の案内があったとき、「それまで無料で色々教えてくれたのだから、買わないと悪いかもしれない」と感じてしまう人がいます。そのように感じる必要はまったくありません。
人の心理につけ込んで断りにくいセールスを採用していることが即ち悪徳講座の証拠というわけではありませんが、『何か嫌だな』と思ったなら、その時点で手を引いても構いません。あまりにしつこいようなら消費者センターなどに相談することを検討しても良いでしょう。
7: 無料トライアルや返金保証について
無料トライアルや返金保証は信頼性の証明となりますが、一部の悪徳業者はこれらを悪用することもあります。例えば返金には期限がある、返金申請などのやり方が複雑である、申請には必要な書類があるなど、様々なパターンがあります。条件をよく読み、理解してから利用しましょう。理解できないくらい難しい内容や条件であれば、それは利用するべきではありません。
すべての英語コーチングやメンタリングといったサービスが悪いわけではなく、実際にそうした指導を受けて効果が出ることもあります。特にコーチングはその手法がある程度確立されていることから、正しいコーチングを受けることにはある程度の再現性があると言えるでしょう。
ただし、コーチングもメンタリングも魔法ではありませんし、結果には個人差があります。こうした個人差があるために、結果が出なくても(実際にそうであってもなくても)サービスのせいではないと言えてしまったり、利用者が「自分が悪い」と感じたりすることがあります。そのため、コーチングやメンタリングのサービスを評価することは、非常に難しくなっているのです。
自己投資は自分の成長の後押しになってくれるものですが、だからといって最初から高額な自己投資が必要とは限りません。まずは安価なものや身近なところで利用できるものを試すことから始めるのも良いでしょう。
追記
もしも自分でコーチングやメンタリングを始めたいという方がいれば、その勉強のための講座をUdemyで公開しております。堂本なりのコーチングやメンタリングのまとめのほか、実際のメンタリングの様子なども収録しています。よろしければご参考ください。
追記 2023.12.27
ChatGPT のビルダーを用いて、試作品としてコーチングをしてくれる ChatGPT を作成してみました。日本語にも対応しています。ベータ版ですが、よろしければお試しください。現在は上記のリンクからのみご利用頂けます。