ウェブサイトやホームページの翻訳について

現代のビジネスはますます国境を越えて展開され、企業や個人が新たな市場に進出するためには、自身のウェブサイトやホームページを異なる言語で提供することが不可欠です。この記事では、ウェブサイト翻訳の重要性とそのプロセスについて説明します。

ウェブサイト翻訳の重要性

グローバルな視点からビジネスを展開している企業や個人にとって、自社のウェブサイトを複数の言語で提供することは、異なる言語と文化の間でのコミュニケーションを促進し、新たな市場へのアクセスを可能にします。また、顧客は自分の母語で情報を提供されることを好む傾向があり、その言語で提供されるウェブサイトを信頼します。

また、ビジネスで使うウェブサイトやホームページ以外にも、例えばイベント告知用のランディングページや特別なキャンペーンページなど、ウェブサイト翻訳の場面は長期的のみならず短期的なプロジェクトでも発生し得ます。そうしたウェブサイトを多言語化することで、「多角的視野を持ち、海外のカスタマーも視野にいれているブランドである」というブランディングに繋がることも期待できるでしょう。

正確さと文化的な適応性

ウェブサイトの翻訳は、単語やフレーズを直訳するだけではなく、それぞれの言語と文化のニュアンスを理解し、適切に翻訳することが求められます。そのため、翻訳者は単なる言語のエキスパートであるだけでなく、異文化コミュニケーションの専門家である必要があります。このカルチャーギャップを克服するためのプロセスを「ローカリゼーション」と呼び、ウェブサイトの翻訳において重要な役割を果たします。

前述のように、顧客は自分の母語で情報を取得することを好みます。しかしその母語が明らかに機械翻訳であったり、支離滅裂なものであったりすると、サービス提供者に対して「自分たちは大切にされていない」と感じてしまう原因になるかもしれません。こうしたリスクを避けるためにも、翻訳の精度や文化的な適切さは重要であると言えます。

SEOと翻訳

ホームページやウェブサイトを多言語化する際には、検索エンジン最適化(SEO)も考慮しなければなりません。これには、異なる言語でのキーワードの選択、メタデータの翻訳、URLの構造などが含まれます。これら全てが適切に翻訳・最適化されることで、ウェブサイトは検索結果の上位に表示され、より多くの人々にアクセスされます。

このうち、特にキーワードの選択について、元々の言語のキーワードを翻訳するだけではSEOの効果が保持されない場合があり、注意が必要です。対象言語の市場を踏まえた上で改めてキーワード調査を行い、効果が期待できるものを選定していくことが必要になります。

また、SEOの関連としては、既存のウェブサイトやホームページを翻訳してページを追加するだけではなく、新たにドメインを取得してサイトを作成したりすることが必要になることもあります。

自動翻訳ツールについて

Google Chromeなどの外部ツールによっては、特定のページを自動翻訳してくれるような機能が使える場合もあります。しかしそれは『その言語のページがある』ということではありません。つまり、そのページにまず行き着くには日本語で検索する必要があり、その上で辿り着いた人が初めてそのツールを使ってそのウェブサイトを自動翻訳することになります。これでは、海外の集客効果は限定的です。

海外の集客を行うなら、ウェブサイト翻訳やホームページ翻訳においては新たなページやサイトの作成が必須になります。その際にはドメインを海外展開に最適なものを取得するなど、複数の要素を考慮しなければなりません。

まとめ

ウェブサイトの翻訳は、あなたのビジネスをグローバルに展開し、新たな顧客を獲得するための重要なステップです。適切な翻訳サービスを利用することで、ビジネスは国境を越え、広範な視野を手に入れることができます。

ただし、その実情は「ただ翻訳をする」以上に複雑な作業であることも珍しくありません。その意味で、必要に応じて、SEOや翻訳家、またウェブサイト作成のプロに依頼をするのは長期的には良い選択肢と言えるでしょう。

Akitsugu Domoto

Translator, wordsmith, speaker, author and part-time YouTuber.

https://word-tailor.com
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