ChatGPTの“バイブコーディング”で英語学習アプリを自作する方法
本記事の3行要約
バイブコーディングならコード未経験でも英検語彙4択アプリのような学習用アプリをAIに生成させて自作できる。
過去問PDFから予測問題を作る、学習書やアプリが少ない専門分野の知識確認をするなど、多岐にわたって応用が利く。
利用は私的範囲にとどめる必要があり、公開は不可だが、追加問題や機能拡張もAIに依頼して柔軟にカスタマイズできる。
AI の進化は止まる気配がありません。ChatGPT や Gemini などの高性能モデルのおかげで、これまでコードの知識がないと難しかったアプリ開発が、今ではバイブコーディング(Vive Coding)と呼ばれる手法で誰でも取り組めるようになってきました。
アプリ開発は、必ずしも収益を目的とするものではなく、自分自身が使うための個人的な手法となることもあります。この記事では、Vive Coding を使って英検の語彙4択問題アプリを自作する流れを、実際の例とともに解説します。ちなみに私自身、コード歴は本当にゼロ日で、以下のものを作っています。
バイブコーディングとは
バイブコーディングは、AIにコード生成を任せ、そのまま動くアプリとして出力させるアプローチです。コードを深く理解していなくても、プロトタイプ的なアプリを短時間で形にできます。バイブ(vibe)とは『雰囲気』のような意味合いの単語で、『雰囲気コーディング』や『なんちゃってコーディング』のような意味合いがある言葉、それがバイブコーディングです。
著作権・利用範囲の注意点
まず多くの人が気にするのが、「英検の過去問を AI にアップロードして分析させても良いのか?」という点だと思います。これについて、基本的には個人の学習目的の範囲であれば「私的利用」に該当し、基本的に問題ないと考えられます。
具体的には、自分が学習する目的で過去問PDFをダウンロードし、AIに解析させること、また生成した問題を使って自分だけが利用するアプリを作ることは、私的利用の範囲と解釈できます。しかし、PDFから作成したアプリを不特定多数に公開するのは問題データの私的利用を超えると考えられるため、これは避けましょう。
ChatGPT へのデータ提供が不安な場合
ChatGPT の有料プランでは「アップロードしたデータをモデル学習に使わない」設定が可能です。よりクリーンにしたい場合には、この設定をオンにしておくとよいでしょう。
※記載している内容は2025年12月時点の理解であり、今後変更される可能性があります。
実際にアプリを作る手順
ここからは、英検語彙4択アプリを実際に生成する流れを紹介します。
まず、英検公式サイトから対象級の過去問PDFをダウンロードし、ChatGPT にアップロードします。英検の公式サイトには過去問が3回分あるので、自分が勉強したい級のものをダウンロードすると良いでしょう。
その上で、次のようなプロンプトを打ちましょう。
英検1級の語彙選択問題の勉強をしたいです。アップロードしたデータから出題傾向を予測し、同じ形式で勉強できるように問題を作成してください。その後、アプリで勉強したいので、アプリ化するためのコードを生成してください。
すると、AIが問題文を抽出・分析し、アプリとして動くコード(HTML+JavaScript)を生成してくれます。あとはこれをすべてテキストエディタにペーストするだけです。保存時には、ファイル形式を.txtから.htmlにしましょう。
このHTMLファイルをブラウザで開くと、そのまま語彙4択アプリが動作します。保存したファイルを開こうとすると、HTMLファイルとして自動的にブラウザで開くはずです。自動的にブラウザで開かれない場合、右クリックから開くアプリを指定しましょう。
万が一上手く動作しない場合には、ChatGPTの生成に問題があったことになります。最初からやり直すか、プロンプトをシンプルにしたり、動かないことをChatGPTに伝えて修正させたりすればOKです。コードに問題がない場合は、コピー・ペーストの時点で問題があることになります。改めて必要なコードをすべてコピーしているか、ペースト時に欠けたりしていないかなどを確認しましょう。
問題を増やしたい場合など
追加したい問題を ChatGPT に依頼すると、新しい questions オブジェクトを生成してくれます。例えば「語彙問題を20問追加してください」や「イディオム問題を増やしたいです」などのプロンプトを出せばOKです。返ってきたコードを既存の配列の末尾にコピペするだけで問題数が増えます。
この辺りのコードの追加については、分からないことがあればそれもChatGPTに確認すればある程度判断できるはずです。
他にも機能を追加したい場合などには、その旨をChatGPTに伝えればコードを生成してくれます。
自作か市販か
今回紹介したように、バイブコーディングを使えば、専門知識がなくても英語学習アプリを自作できます。とはいえ、英検対策なら既に高品質な市販アプリや問題集があります。精度や信頼性を重視するならそれらを使う方が効率的ということもあります。
ただ、非常に狭い分野の勉強をする場合や、高度な勉強をしたい場合、自分でアプリをカスタマイズしていきたい場合には、こうしたやり方もありだと思います。今回は英検対策としていますが、TOEICやTOEFL、国連英検など、特に知識を付ける必要がある試験の対策の一環としては役立つはずです。他にも様々な学習アプリを作れるので、ぜひ挑戦してみてください。
