ChatGPT Translate の性能や使い方

本記事の3行要約

  • OpenAI は翻訳専用UIを備えた “ChatGPT Translate” を公開し、原文を入力するだけで翻訳できる点で利便性が向上した。

  • 一方で、翻訳精度や速度は従来の ChatGPT や DeepL と比べて大きな差はなく、どうやら特化モデルが使われているわけでもない。

  • 結論としては精度よりも使いやすさが重要であり、各自の翻訳業務に合ったツールを選べばよい、という従来と変わらない評価である。


Open AI が、ひっそりと ChatGPT Translate というサービスを公開しました。つまりは ChatGPT を使って翻訳ができるというもので、元々 ChatGPT を使えば翻訳を行うことは可能であったため、新たな機能の追加というようなことではありません。それでもサービスとしては翻訳の需要に合わせて特化しているものであるため、以下に簡単な内容と紹介をまとめておきます。


より翻訳ツールらしいUI

ChatGPT Translate のページでは、原文を入力すると指定した言語に翻訳してくれるようになっています。このUIは DeepL や Google Translate のUIに非常に似ています。

これまで ChatGPT では翻訳をさせるには『以下を日本語に翻訳してください』といったようにプロンプトを打つ必要がありました。しかし原文を入力するだけで良くなったため、この点は便利になったと言えます。また、ChatGPT の通常の使い方だと、『以下がご希望の翻訳です』や『ご希望なら、スタイルを変えることもできます』のように余計なテキストが含まれることもありました。今回のツールではそれが発生しない(または比較的発生しにくくなっていることが期待される)ため、より翻訳業務に集中して ChatGPT を使いたい場合には最適化されていると考えられます。

一方、ChatGPT Translate のページを見るとスタイルの変更を行えるようなボタンもありますが、これを押すと通常の ChatGPT の利用画面に遷移します。そのため、基本的な翻訳以外のこと(例えばトランスクリエーションやローカリゼーションなど)は、少なくとも現状(2026/01/25時点)では ChatGPT のデフォルトの画面で指示する必要があることになります。

パフォーマンスは大きく変わらず

ChatGPT Transalte に特に翻訳に特化したモデルが使われているという情報は、2026年1月末現在では確認されていません。スタイル変更のボタンで通常の ChatGPT の画面に移ることを鑑みると、恐らくは通常の ChatGPT のサービスに用いられているモデルか、あるいはよりコストが安いモデルが使われていることが想像されます。実際に ChatGPT Translate の翻訳パフォーマンスを過去の翻訳と比較してみましたが、特に大きな変化は見られませんでした。実際の比較は【こちら】と【こちら】からご確認いただけます。

また、ChatGPT を用いて翻訳している関係もあり、翻訳速度も DeepL などの既存のサービスと比べて極端に速いということはありません。むしろ、DeepL の方が翻訳の全文が出てくるまでは速いようです。ただし、どちらのスピードも人間が翻訳する速度と比較すれば速いことは間違いないため、DeepL と比較して翻訳速度が遅いことが ChatGPT のネックになることはなさそうです。

追記: 2026/02/06

ちなみに、先日マーク・トウェインの短編を翻訳する際に ChatGPT 5.2 の “解釈” を参考にした部分があるのですが、トウェインのユーモアを勘違いしたり、語の解釈を誤ったりすることも多くありました(加えて、その解釈の訂正を最後までしないなどの問題もありました)。それぞれの問題となった翻訳は短編の全体や前後の文脈、また単数・複数の判断などから考えれば適切に推測することができるものであり、やはり ChatGPT は文を『理解』して新たな文を理解に基づいて生み出しているわけではないことが伺えます。

それでも、逆説的に ChatGPT が間違えていることから自身の理解を確認したり、ChatGPT が間違えていると感じた際にそれを掘り下げる質問をする中で自分の解釈を確かめたりできるという面もあり、その意味では役に立たなかったわけではありません。

使いやすいと感じる方を使えばOK

総合的には、これまでの機械翻訳ツールに対する結論から変わりません。結局のところ翻訳結果の精度はその翻訳を使う人が確認をし、内容の正しさや妥当性を担保する必要があることから、翻訳ツールの精度の多少の巧拙はさほど決定打になりません。少なくとも現在は、抜きんでた精度のものはないと言えます。

その代わりに、翻訳業務の中で使いやすいことが重要であり、その意味で、DeepL のデスクトップ版がショートカットでの呼び出しなども含めて使いやすいのではないかと個人的には感じています。ChatGPT にもデスクトップ版がありますが、ChatGPT Translate を使うために現状では ChatGPT Translate のページを開く必要があるため、ツール経由でそのまま使うことはできません。それでもデスクトップ版の ChatGPT を呼び出し、予めプロンプトを予測変換などに登録しておくことですぐに使えるようにしておけば、利便性をある程度改善できます。

このように、自分の翻訳業務において使いやすいと感じる方を使えばOKです。その上でのベストプラクティスについては、特にこれまでの記事の内容と変わりません。よろしければ、『機械翻訳ツールをどう使うべきか』について、過去の記事をご参照ください。


動画版もあります。

Akitsugu Domoto

Translator, wordsmith, speaker, author and part-time YouTuber.

https://word-tailor.com
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