翻訳家が推奨する、英語学習のための参考書と辞書、およびその効果的な使い方

Dall-E: Alfred Bernhard Nobel teaching something in front of audience

英語を学習する際には、各種の参考書や辞書を活用することが有効です。しかし、その選び方や使い方、さらには学習の進め方が適切でなければ、思うような効果を得ることは難しいかもしれません。

この内容について、既に YouTube では【動画を公開】していますが、改めてブログとして適切な参考書や辞書の選び方、学習の順番について説明します。

ただし、本来はどのような学習をするべきかは学習者の目的や現状のレベルによって異なるものであることが前提です。この内容はあくまで堂本が個人的に推奨するものであり、これから英語の勉強を、ある程度長期的に頑張っていきたいという方や、受験勉強として、計画的に英語を勉強していく人向けの内容となります。


まず重要なこと

まず重要なのは、「既に始めている参考書は終わらせる」ということです。ある参考書を途中で止めて新しいものに取り組むと、中途半端な知識しか身につけられず、ある程度以上の文法を理解することが難しくなります。例えば、関係代名詞などのやや複雑な文法事項は、通常中盤以降に登場します。そのため、参考書を始めてはすぐに止めるということを繰り返していると、一定レベル以上の文法事項についてまったく学習できないということになるのです。

また、参考書は通常、前の内容を基に次の内容を解説しています。そのため、途中から参考書を読み始めると、話が繋がっていないように感じたり、説明が分かりにくく感じたりすることもあるでしょう。そのため、もし別の参考書を手に入れた場合でも、まずは今手に取っているものを終えてしまいましょう。

その上で別の参考書に最初から取り組む中で、既に理解している点についてはある程度読み飛ばしつつ、自分が最初の参考書では理解できていなかったところや、最初の参考書とは説明の内容が異なるところに注目すると良いでしょう。

おすすめの文法の参考書

おすすめの参考書としては、「基本文法から学ぶリーディング教本」や「英文解釈教室」、「実践ロイヤル英文法」が挙げられます。

「基本文法から学ぶリーディング教本」では、基礎文法と共に文法的説明を理解するための知識や考え方を学ぶことができます。まずはこれを一通りこなした上で、続いて「英文解釈教室」に取り組むと良いでしょう。「英文解釈教室」はやや高度な参考書ではありますが、「基本文法から学ぶリーディング教本」との相性も良く、根気強く取り組めば大きなレベルアップが期待できます。

こうした文法の勉強をしていく中では、ひとつくらい文法書があると心強いでしょう。これについては好みで選んでも良く、例えば「英文法解説」や「英文法詳解」なども良い本ですが、徐々に英文のレベルが上がっていく構造になっている「実践ロイヤル英文法」が最も取り組みやすいかと思います。ただここについては、個人の好みでも大丈夫です。

おすすめの英単語帳

網羅的に英単語を学ぶ必要があるため、英検の単語帳を使うと良いでしょう。TOEICもレベル別になっていますが、TOEICのレベル分けはあくまで便宜的なものであり、例えば「600点取れている受験者」の点数分布や「何ができて何ができないか」はバラバラです。一方、英検の場合は「英検準2級に受かっているなら、少なくともこのレベルはこなせる」というような段階的な学習が可能になります。英検2級の語彙が完璧であれば、下地としては充分です。

受験勉強としてさらに上のレベルの単語を学ぶ必要があるなら、DUOを使うのも良いでしょう。余裕があれば英検準1級の単語を覚えてみても構いません。受験英語で求められる単語レベルとしては高いものが多いですが、覚えて置いて損をするものではありません。

辞書の選び方

辞書については、「ジーニアス」や「ウィズダム」、「オーレックス」などがおすすめです。これも好みで選んで良いのですが、『最初の一冊』であれば、個人的には「ウィズダム」がおすすめです。読みやすく、情報のバランスも良いので、個人的にも参照することが多い辞書です。二冊目を買うなら、「コアレックス」や「オーレックス」が良いかと思います。

学習の進め方

ある程度理論を学習したら、その知識を実践で試すべく、英検などの試験を受けたり、受験勉強なら過去問を解き始めると良いでしょう。特に過去問を解くのは、実力の確認だけでなく、本番の雰囲気に慣れるためにも重要です。

このとき、しっかりと自分で答え合わせをして、自分の勉強に対してセルフフィードバックを行うことが重要です。どうして間違えたのか、それを克服するために何をするべきなのかを考えましょう。

アプリや電子辞書の活用

アプリや電子辞書については、それが学習の効率を高めるなら積極的に利用するべきです。ただし、効率が実際に上がっているかどうかを判断するのは難しいこともあります。たとえば、英単語の意味を調べる時間が短縮されても、その単語が頭に残らなければ意味はありません。アプリを使うか使わないかという問題よりも、何を学ぶべきか、どのように学ぶべきかということが重要だと言えます。

YouTubeの動画について

本記事の内容は、既に【YouTube の動画】として公開されていますが、動画では特に重要なことを強調していたりもするので、よろしければそちらもぜひご参考ください。加えて、「勉強との付き合い方」というメンタリティの動画も公開されています。こちらもぜひ、ご覧頂ければ幸いです。

Akitsugu Domoto

Translator, wordsmith, speaker, author and part-time YouTuber.

https://word-tailor.com
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